命を救う海辺の守護神。ライフセービング女子ユース日本代表・内堀夏怜 (4ページ目)

  • たかはしじゅんいち●文・撮影 text & photo by Takahashi Junichi

 内堀は2016年参加したユース世界選手権ビーチフラッグス競技で8位入賞、ボードレースも決勝に残った。

「世界大会で大きな経験ができました。海の競技はファイナリストに残れて、自分の力が世界に通用することもわかりました。言葉も習慣も、海の環境も違う同年代の人たちと競えたことは最高に楽しかった。レース直前まで踊ったり歌ったりしているのに、オーストラリア代表やニュージーランド代表はぶっちぎりで速い。とても刺激になりました。

 今回はユース日本代表として、世界大会に参加させていただきましたが、今後は正日本代表として世界大会出場を目指します。海の競技、ビーチ競技、プール競技のすべてを通して、結果を残していける選手になることが目標です。さらに、ライフセービングの魅力、海の魅力、自然の危険なところを若い世代に伝えていきたいと思います」

2人のライフセーバーは、競技を通して人命救助に挑み続ける2人のライフセーバーは、競技を通して人命救助に挑み続ける

 ユース代表として世界としのぎを削るまでに成長した内堀にとって、ライフセービング先進国であるオーストラリアやニュージーランドとの差を見られたことは大きな財産になるだろう。そんな後輩の将来に、平野は大きな期待を抱いている。

「彼女は次世代のホープです。事実、今回ユース代表として女子では彼女しか選ばれていません。これまでユースの日本代表から世界選手権の正代表になった選手はいない。今回の経験を活かして、ぜひその大きな壁を越えてほしいですね」

 ライフセービング競技は「ゴールの先に、守るべき命がある」を命題としている。自然を相手に人命を守るライフセーバーたちの競技生活に、これからもっと多くの注目が集まることを期待したい。

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