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綱取りに挑む豪栄道。角界の重鎮たちが
語った「連続優勝への条件」 (4ページ目)

  • 松岡健治●文 text by Matsuoka Kenji
  • photo by Kyodo News

 当の豪栄道の仕上がりは順調そのもの。場所前の11月5日、福岡の田子ノ浦部屋で行なわれた二所ノ関一門との連合稽古に参加し、同じ大関の琴奨菊に6勝1敗、稀勢の里にも3勝1敗とライバルを圧倒した。稽古を見た元横綱・大乃国の芝田山親方も「動きはよかったし元気だった」と評価する。

 真っ向勝負を貫き、頂点を極めた芝田山親方。綱取りの大先輩が挙げるポイントも、やはり「攻めること」だった。先場所も苦しい内容の取組はあったが、「攻めていたからこそよく残ったし、それが勢いを生み、波に乗れた結果、全勝優勝につながった」と分析する。攻める姿勢に徹したことで「立ち合いも自分の呼吸で立てるようになる」と指摘。それが、勝敗の8割を決めるといわれる立ち合いを制することにつながるのだ。

 豪栄道にとって九州場所は、序盤から波に乗り、先場所よりも万全の態勢で終盤戦を迎える必要がある。綱取りの最大の壁となるだろう横綱・白鵬が復帰するからだ。右足親指の骨折で秋場所を全休した横綱は、秋巡業の途中から土俵に復帰。場所前も出稽古に参加し、日増しに調子を上げている。前出の友綱副部長は「だからこそ」と、前置きしたうえで「白鵬と当たるまでにできれば、全勝、悪くても1敗でいかないといけない。絶対に取りこぼしはできない」と力説した。

 今年を締めくくる九州場所。復活の白鵬、さらに綱取りが振り出しに戻った稀勢の里も、年間最多勝と初優勝をかけて満を持して臨んでくるはず。かつてない大混戦が予想される土俵で、豪栄道は角界の重鎮たちがそろって口にした「攻め」の姿勢に徹することができるのか。まずは序盤の内容に要注目だ。

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