2016.05.30

【月刊・白鵬】稀勢の里との大一番。苦しかった「真相」を明かす

  • 武田葉月●構成 text&photo by Takeda Hazuki

第61回:37回目の優勝

負傷を抱えながらも、通算37度目の優勝を飾った白鵬夏場所(5月場所)で全勝優勝を飾った横綱。
注目の稀勢の里戦でも貫録の相撲で勝利し、
その強さを存分にアピールした。
だが横綱自身、決して万全の状態ではなかった。
通算37回目の優勝は苦労の末につかんだものだった。
その舞台裏に迫る――。

 青く澄みきった空が広がり、爽やかな風が薫るこの季節は、日本の四季の中でも特に美しい時期ではないかと、私は思っています。自然の緑も色鮮やかで、故郷・モンゴルの夏の草原を思わせることもあって、なおのことそう感じるのかもしれません。

 そんないい季節に、大相撲夏場所(5月場所)が行なわれました。

 ゴールデンウィークの最終日となる5月8日に初日を迎え、その後も天候に恵まれたこともあって、連日満員のお客さまが両国国技館に詰め掛けてくれました。毎朝、当日券を求めるファンが列をなしていて、そのチケットもすぐに売り切れとなる盛況ぶり。ほんの数年前には考えられなかったことです。

 これはまず、今年初場所(1月場所)で初優勝した大関・琴奨菊や、横綱昇進を目指す大関・稀勢の里の活躍が大きいと思います。そのうえで、ここ最近は生きのいい若手力士たちが躍動。彼らが日々土俵を盛り上げ、場所を通して奮闘してくれていることが、現在の人気につながっているのでしょう。

 いずれにせよ、多くのお客さまが相撲場に足を運んでくれることは、本当にありがたいことです。ただ一方で、国技館に入場できなかったファンの方々には、申し訳ない気持ちでいっぱいです。