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東京五輪の競技会場は、観光名所にどんどん「仮設」で作れ! (4ページ目)

  • text by Sportiva

杉山 ロンドンオリンピックで、山嵜さんは馬術の会場のご担当だったんですね。公園という立地をうまく生かした、仮設スタンドではあるけれども趣がある会場でした。

山嵜 世界遺産であるグリニッジ公園を競技会場にしてしまうというのも大胆で面白い発想でした。ロンドン市内に公園がいくつかある中で、代表的な場所としてグリニッジを選んだ。もとから観光名所でもあるので、そこをピックアップしたというのはセンスがあるなと思います。

杉山 グリニッジというのはロンドンのどのあたりですか。

山嵜 ロンドン市内の南東部です。広大な芝生に2万人収容の馬術会場の仮設アリーナと、公園全体に全長6kmのクロスカントリーコースを設置しました。ロンドンは平らな街でそんなに高低差がないんです。グリニッジの天文台はちょっと高台にあるので、そこから市内すべてが見通せる感じになっているんです。その一番高いところにクロスカントリー競技の障害物を置き、人馬が跳ぶ姿を後ろから撮影すると、ロンドンの街に向かって跳んでいるように見えた。期間中、馬術競技を紹介するメディアなどでそのアングルが多く使われるようにコースレイアウトされていました。

杉山 こういうところに作ると、スタジアムは仮設で軽いんだけど、雰囲気に重々しい感じが出ますよね。日本はその逆。スタジアムは立派なんだけど、国立なんてせっかく神聖な場所にあるのに、それを生かさない。

山嵜 そういったこともロンドンはある程度早い段階でピックアップできていた。招致委員会のファイルの中で、もうこの場所も決まっていたんです。競技場建築に対する目利きの力を持ち、ロンドンの街の魅力についても考えることができる人材が招致委員会の中にいたんだろうと思います。

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