現役力士が語る、大相撲の「最新ちゃんこ事情」と「勝負メシ」 (3ページ目)

  • 武田葉月●構成 text&photo by Takeda Hazuki

 相撲界の定番には、ちゃんこ鍋だけでなく、「勝負メシ」と言えるものもありますよ。勝負の世界に生きるお相撲さんは、やはりゲンを担ぐことが多くて、場所を迎えると、必ず食べるものがあるんです。

 それは、鶏肉です。

 4本足の動物は、土俵にバタッと手をついてしまうイメージ、つまり負けを連想するので、昔から場所中に食すことは嫌われていたんです。逆に、鶏は2本足で歩きますよね。それが相撲界では好まれていて、鶏肉がずっと「勝負メシ」になっています。

 ウチの師匠(友綱親方)は、特にゲンを担ぐほうなので、場所中の昼のちゃんこの時間には、鶏料理が必ず出てきます。それも毎日同じで、鶏のムネ肉をたっぷりのニンニクとオリーブオイルで炒めたものなんですが、実はこれが美味! 塩とこしょうだけのシンプルな味付けながら、そのままでもいけますし、ご飯に乗せて、生卵を落として食べてもうまいんです!

 昼、そして夜のちゃんこも、部屋の若い衆(幕下以下の力士)が、当番制で作っています。ただ、夜はちゃんこ鍋を食べるわけではなくて、普通の家庭の晩ごはんのように、ご飯とおかずという感じですね。出かける用事のない力士は、18時くらいから部屋で食べます。

 僕の場合は、昨年家庭を持ったので、夜は自宅に戻って食事をすることが多くなりました。嫁さんの作ってくれるハンバーグは、最高にうまいんですよ! 体のことを考えて、おろしポン酢でさっぱりといただくのが、最近のマイブームです(笑)。

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