「2足のわらじ」がパラリンピアンにもたらす、相乗効果とは (3ページ目)

  • 瀬長あすか●取材・文 text by Senaga Asuka
  • 吉村もと●写真 photo by Yoshimura Moto

 ソチ大会以前から決めていた今大会(ワールドカップ旭川大会)への参加は、自分が退いてから世界で戦う日本人選手が潰えてしまったシットスキー(座るタイプのスキー)の普及が目的。自宅の物置から久々に取り出しシットスキーに乗り、陸上の練習仲間らを誘って2レースに出場。競技2日目に行なわれたスプリント1キロ(座位)では、惜しくも準決勝で敗退したものの「ソチ大会のクロスカントリー金メダリストであるクリス・クレブル(カナダ)に離されないでフィニッシュできた。楽しい大会でした」と話し、清々しい表情を見せた。

 実は、久保がスキーを始めた頃にアドバイスを受けてきたのがこのクリス。“師匠”と同じレースを滑ったことで、久保自身また気持ちを新たにしたに違いない。

 そして、リオ大会の日本代表を決める勝負がこれから始まる。22日の東京マラソン、4月のボストンマラソンへの出場を皮切りに今後重要な大会に出場していく予定だ。

 夏冬両方のメダリストになる。その大きな目標を達成するために「これからのレースに勝ち、なんとかリオにつなげたい」と久保は意気込む。

 クロスカントリースキーは、北海道などウィンタースポーツが盛んな地の選手のクロストレーニング()としても広がりを見せている。
※色々なスポーツを取り入れることで、偏りのないバランスのとれた体を作る練習法

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