選手がナショナルトレセンから受ける、無形の恩恵 (4ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • 石山慎治●写真 photo by Ishiyama Shinji

「ロンドン五輪でホップしているので、東京五輪ではステップして、その後ガタガタと崩れないようにしたいですね。なぜ、そんな危惧を抱いているのかというと1964年東京五輪以降、国際競争力が落ち、日本スポーツが冬の時代を迎えたからです。たぶん、2020年の東京五輪では、予算を含めて国がバックアップしてくれるし、国民も応援してくれるでしょう。でも、『歴史は繰り返す』と言われています。大事なのは、東京五輪後の2024年の五輪なんです。国の協力がなくなるアウェーの五輪で、底力を発揮してメダルを取れるかどうか。せっかくホップしたので東京五輪をステップにして、五輪後に大きく飛躍するようにしたいですね」

 これからは、メダル争いがより熾烈(しれつ)になると言われている。スポーツ大国のアメリカ、中国、ロシア、ドイツだけではなく、南米、アフリカ、東南アジアなどが力を付けてきたからだ。以前は3つあるメダルを5ヵ国で争っていたが、これからは10ヵ国で争うようになるだろう。日本が世界列強国とのメダル争いに負けない競争力をつけていくためにはNTCの施設の充実と育成強化を継続し、展開する事業を成功に導くことがより重要になってくるはずだ。

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