2014.06.17

バドミントン男子を襲った「世界一」ゆえの試練

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 藤田孝夫●写真 photo by Fujita Takao

 6月10~15日に東京体育館で開催されたバドミントンヨネックスオープン・ジャパン(※日本で毎年開催されている国際大会)。

 バドミントン界を牽引するエースの田児賢一女子ダブルスで高橋礼華/松友美佐紀(日本ユニシス)が優勝して前田美順/垣岩令桂(ルネサス)が2位になったほか、男子シングルスの田児賢一や男子ダブルスの平田典靖/橋本博且(トナミ運輸)、混合ダブルスの早川賢一/松友美佐紀(日本ユニシス)が3位の成績を残して観客席を沸かせた。

 しかし、男子と女子の戦いぶりには違いがあった。

 今大会前に行なわれたユーバー杯(※団体で戦う女子の世界選手権)で女子は33年ぶりの2位という結果を残したが、決勝では中国に惨敗。その悔しさを胸に、ヨネックスオープンには挑戦者の気持ちで臨めていた。

 一方、男子はトマス杯(※団体で戦う男子の世界選手権)で、最強の中国を準決勝でストレートで下し、強豪マレーシアとは決勝で6時間を超える死闘を繰り広げ、初優勝。突然手にした世界一の称号にプレッシャーを感じた状態で今大会を戦うことになった。

 シングルスの佐々木翔(トナミ運輸)が「メンバー全員がまだ整理がついていない状態だと思う」と話すように、トマス杯から帰国後に1日休んだだけで今大会の合宿に入るというスケジュールの中で、気持ちを落ち着かせることもできず、注目される地元開催の大会に臨んだのだ。

 それを物語るかのように11日の1回戦では、トマス杯4勝1敗で世界ランキング3位の早川/遠藤大由(日本ユニシス)が、ペアを組み換えてきたマレーシアのゴー・V シェム/タン・ブンホンにストレート負け。また、トマス杯5戦全勝だった19歳の桃田賢斗(NTT東日本)は、世界ランキング3位のヤン・ウ・ヨルゲンセン(デンマーク)を相手に第1ゲームを21対13で奪って、第2ゲームも序盤から大きくリードして、トマス杯の勢いをそのまま維持しているような試合で勝利に目前まで迫ったが、「19対15になった時に勝てるんじゃないかと思ってしまい、引いてしまったのが悪かった」と、連続得点で追いつかれて20対22でゲームを落とした。