バドミントン男子団体、世界一までの「10年計画」 (2ページ目)
しかし日本も粘りをみせる。次の第1ダブルスでは世界ランキング3位の早川賢一/遠藤大由組(日本ユニシス)が、タン・ブンホン/フン・ティエンホー組に序盤は圧倒されながらも、相手のコンビネーションミスや疲労を突いて75分の勝負をものにして1勝1敗に。
そして第2シングルスでは、世界ランキング14位でこの大会4戦全勝の19歳の桃田賢斗(NTT東日本)が、チョン・ウェイフェンに付け入る隙を与えず、39分で勝利を決めた。
第2ダブルスの園田啓悟/嘉村健士(トナミ運輸・世界ランキング13位)は、ペアを組み換えてきたゴー・V・シエム/タン・ウィーキョンから第1ゲームは取ったが、その後突き放されて2勝2敗。優勝のゆくえは、ついに第3シングルスまでもつれ込んだのだ。
そんな苦しい戦いなかで、粘りをみせた日本には伏線があった。
2日目の準決勝では6連覇を狙う中国と対戦し、シングルスでは田児と桃田が、ダブルスでは早川/遠藤が勝利を収め、第3シングルスに控えていた北京・ロンドン五輪連覇の林丹を出すことなく、中国に歴史的な勝利を上げた。
さらに女子もユーバー杯で24日の決勝こそ中国に1対3で敗れたが、23日の準決勝対インド戦では、0対2に追い込まれながらも第1ダブルスの高橋礼華/松友美佐紀(日本ユニシス)と第3シングルスの廣瀬栄理子(ヨネックス)、第2ダブルスの前田美順/垣岩令佳(ルネサス)が3連勝し、大逆転で33年ぶりの決勝進出を果たしていた。
そんな日本の快挙は、04年アテネ五輪後にスタートした計画的な強化によるものである。男女合わせてシングルス5名とダブルス4組が出場したアテネ五輪は、2回戦に進出した女子シングルスの森かおりの1勝だけ、と惨敗した。
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