バドミントン男子団体、世界一までの「10年計画」
5月25日にインドのデリーで行なわれたバドミントン国別対抗男子トマス杯で、ついに日本は世界一に輝いた。
着実に成長を遂げて勝ち取った世界一だった 決勝の場面、日本対マレーシアの勝負は、5試合目の第3シングルス※のファイナルゲームまでもつれ込んだ。
※第1シングルス→第1ダブルス→第2シングルス→第2ダブルス→第3シングルスの順で行なわれた。
日本の上田拓馬(日本ユニシス)は現在世界ランキング25位。対するダレン・リュウは66位だが、鋭いスマッシュが武器で昨年5月にはランキング12位にもなっている選手。
第1ゲームは相手のミスに付け込んだ上田が21-12と圧倒したが、第2ゲームは16-10とリードしてから反撃され、18-21で落とす。そしてファイナルゲームは序盤から互いに点を取り合う展開で、両チームの選手たちが一喜一憂する展開になった。
その均衡が崩れ始めたのは12-12からだった。
同点に追いついたばかりのリュウがミスを連発して上田が3点リード。そこからリュウも粘って追随したが、浮いた球を上田が叩き込んで再び2点リード。そして上田のロビングをリュウが見送ると、審判は「イン」のコール。それに対してリュウが判定見直しの"チャレンジ"をしたが、結果はシャトルがわずかにライン上に残っているという判定になった。そこから流れが上田に。最後はリュウのスマッシュがサイドラインを割り、21対17で78分にも及ぶ長い試合が決着した。
だが、ここまでの戦いも熱戦だった。第28回を迎えたこの大会で、日本は初優勝を目指し、マレーシアは92年以来22年ぶり6度目の優勝を目指していたのだ。
その気迫は世界ランキング1位ながらも、五輪や世界選手権のタイトルに縁がない不運の帝王・リー・チョンウェイが第1シングルスで見せた。日本のエースでランキング4位の田児賢一(NTT東日本)を21対12、21対16のストレートで破った。
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