2014.03.11

【ソチ・パラリンピック】久保恒造、
6年分の悔しさを胸に目指す「金メダル」

  • 瀬長あすか●文 text by Senaga Asuka
  • 吉村もと●写真 photo by Yoshimura Moto

初日に行なわれたバイアスロン7.5kmで銅メダルを獲得した久保恒造 バイアスロン2012-13シーズンW杯年間総合優勝の久保恒造(日立ソリューションズ)は、射撃の名手だ。「風を読む冷静な判断力があり、世界でトップクラスの実力」(日本代表・荒井秀樹監督)という命中率は、W杯を転戦しながら磨いてきた感覚によるものである。

「心拍数の高いところで自動化された”撃つ感覚”は、自分の中でできあがっている」といい、今シーズンも97パーセント以上を命中させ、W杯の表彰台に上がってきた。「射撃なら誰にも負けない」という絶対的な自信を持つ。昨年からはその射撃力に加えて、走力も向上。メダルを争うロシア勢を制するために、万全な準備でソチに入った。

 そして、競技初日には、バイアスロン7.5kmで、自身初めてとなる銅メダルを獲得。水分を多く含みゆるくなった雪上でもスキーがよく滑った。最強のライバル、ロシアのホームだが、雰囲気に飲まれることはない。

 標準を合わせている11日(現地時間)のバイアスロン12.5kmに向けて集中力は高まっているといい、「表彰台のいちばん高いところ」を目指す。

 初出場のバンクーバー大会ではバイアスロン12.5kmで6位入賞、クロスカントリー15キロの7位入賞がそれぞれ最高だった。

 そこから「こんな悔しい思いはしたくない」と、トレーニングを重ねただけに、今回にかける思いは強い。悔しさにうち震えたバンクーバー大会が、久保にとって競技人生のひとつの転機となったのだ。