【スピードスケート】小平奈緒、ソチ五輪に向かって加速中! (4ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 何かを吸収したいという小平の貪欲さは年々高まっているという。いろいろなことに興味を持って試してきたことが、ソチ五輪シーズンになってタイミングよくまとまってきている。それも競技者として彼女が持つ、体内時計のようなものではないかと結城は言うのだ。

 世界の500mの状況を見れば、バンクーバー五輪優勝者の李相花(イ・サンファ/韓国)が、今シーズンも高速トラックのカルガリーとソルトレークシティで世界記録を連発してW杯2連勝。タイムも36秒36まで伸ばしている。

 それに対して小平は、ソルトレークシティの初日に37秒24の日本記録を出したものの、4戦を終えた現在のW杯総合ランキングは6位。これは、北米、日本、カザフスタン、ドイツという遠征疲れに加えて、全戦で500m、1000m、1500mの3種目に出場しているハンディがある中での結果だ。

 それだけに、1500mで代表入りを逃し、ソチ五輪では2種目のみの出場になったことを逆手に、メダル獲得へのプラス材料にしようとしている。

 そして1月18日と19日、小平の五輪前最後の試合である世界スプリント選手権が、長野市のエムウエーブで行なわれる。2日間で500mと1000mを2回ずつ滑って、その総合ポイントで争う大会だが、これまでの海外での開催と違い、地元の長野でじっくりと調整出来ることは彼女にとって追い風と言える。

「500mは李がダントツだけど、まずは彼女を追う第2グループから抜け出すことを目標にしたい」という小平が、500mでどのような滑りを見せてくれるか。さらには今季W杯では6位が最高と苦戦している1000mでも、ソチに向けてメダルの可能性を感じさせる滑りを見せてくれるのか、注目したい。

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