フィンスイミング界「期待の星」。女子高生・藤巻紗月を直撃
美しきヒロインの素顔~藤巻紗月(フィンスイミング)
「自分にぴったりの競技に出会えたことがうれしかった」
マイナー、メジャーにかかわらず、あらゆる競技で活躍し、最高の輝きを放っている女子アスリートを紹介する「美しきヒロインの素顔」。今回は、7月25日からコロンビアのカリで開催されるワールドゲームズに挑む、フィンスイミングの藤巻紗月選手を直撃。大会への意気込みと、フィンスイミングの魅力について語ってもらった。
ワールドゲームズに向けて、精力的に練習を消化する藤巻紗月。
笑顔が初々しい。
「好きなアーティストは、FUNKY MONKEY BABYSさんです」
そう言って、はにかんだ笑顔がまた初々しい。
ショートパンツにTシャツのカジュアルな服装で現れた彼女は、都内の高校に通う1年生。体のサイズも決して大きくないが、ただの女子高生ではない。
藤巻紗月、16歳。7月25日からコロンビアで開催されるワールドゲームズに出場するフィンスイミングの日本代表である。
馴染みのない人も多いかもしれないので、簡単に説明しておこう。
「フィンスイミング」とは足ひれ(フィン)をつけて行なう水泳のこと。フィンには、イルカの尾ひれ状の「モノフィン」と、片足ずつに履く「ビーフィン」の2種類があり、それぞれ水面に身体の一部を出して泳ぐ「サーフィス」、息継ぎなしで進む「アプニア」、空気ボンベを装着して水中を泳ぐ「イマージョン」の3種目がある。
藤巻が出場するのは「モノフィン」の「サーフィス」。つまり両足をそろえて一枚のフィンを履き、両腕を頭上に伸ばして流線型を作り......わかりやすく言ってしまえば"イルカ"のように水中と水面を上下しながら進む。
驚くべきはそのスピードだ。男子の50m世界記録は13秒台。競泳自由形の世界記録が20秒台だから、その速さがわかるだろう。
「水を切る音とかが聞こえるんです。すごく気持ちいい。水中最速競技で、本当にイルカになった気分です」
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