【月刊・白鵬】「ひつまぶし」好きの横綱、うなぎ不足を嘆く

  • 武田葉月●文 text&photo by Takeda Hazuki

充実した稽古を終えたあと、応援にかけつけたファンにサインする白鵬。充実した稽古を終えたあと、応援にかけつけたファンにサインする白鵬。第28回:綱獲り

7月7日に始まった大相撲7月場所。
横綱がいちばん気になっていることは、
土俵上では、稀勢の里の綱獲り。
土俵の外では、好物のうなぎ不足――。

 大相撲名古屋場所(7月場所)が始まりました。私は、2日目を終えて2連勝。まずは順調なスタートを切ることができました。

 今場所を迎えるにあたって、いくつかの目標を掲げていました。なかでも、いちばん思いが強いのは、やはり優勝することです。

 というのも、ひとつは、優勝回数をさらに26回と伸ばしたいからです。これまで、モンゴルの大先輩・朝青龍関に「追いつきたい」という一心でやってきました。そして、先の夏場所(5月場所)で、ついに朝青龍関に並ぶ通算25回目の優勝を決めることができましたが、記録達成とともに、「朝青龍関を早く上回りたい」という思いが日増しに強くなってきたのです。

 もうひとつの理由は、名古屋場所ではここ数年、優勝を逃しているからです。昨年、一昨年は日馬富士に優勝を奪われてしまいました。また、3年前の2010年は全勝優勝を果たしたのですが、場所前の不祥事(※大相撲野球賭博問題)の影響があって、優勝賜杯を抱くことがきませんでした。その分、名古屋のファンの前ではずっと喜ぶ姿を見せられていないので、今年こそ地元ファンのみなさんの期待に応えて、存分に歓喜したいという気持ちでいっぱいです。

 あと、連勝記録にも挑戦したい気持ちが少しだけ芽生えてきました。現在32連勝中(7月8日現在。春場所〈3月場所〉初日から)で、もちろん2010年に達成した63連勝にはまだまだ及びません。ところが、30連勝以上を2度以上記録しているのは、大鵬(4回記録)さんと私だけで、40連勝以上を2度記録すると、史上初の記録になるそうなんです。そんな話を聞かされたので、俄然「連勝記録を伸ばす」という目標も目の前にちらついてきました。

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