【月刊・白鵬】日馬富士の横綱昇進が、自分の心に変化をもたらした

  • 武田葉月●構成 text&photo by Takeda Hazuki

稽古終了後、『Sportiva ロンドン五輪総集編』を見ながら談笑する白鵬。稽古終了後、『Sportiva ロンドン五輪総集編』を見ながら談笑する白鵬。第19回:新横綱・日馬富士

大相撲秋場所(9月場所)で
2場所連続の全勝優勝を飾った
日馬富士が横綱昇進を果たした。
これまでひとり横綱という状況が
長く続いていた白鵬関も
気持ちを新たに、来る場所に向けて
闘志がみなぎっているという。

 ついに、日馬富士がやってくれました!

 先の秋場所(9月場所)は、日馬富士の2場所連続全勝優勝で幕を閉じ、場所後に日馬富士の横綱昇進が正式に決定しました。

 場所前、彼に掲げられた「綱取り」の条件は、13勝以上。加えて、優勝もしくはそれに準ずる成績をあげるというものでした。物事に「絶対」ということはありませんが、私は、日馬富士の名古屋場所(7月場所)の勢いを見る限り、彼がその条件をクリアし、横綱に昇進する可能性はかなり高いと思っていました。

 初日から、日馬富士の相撲にはまったく隙がなかったですね。軽量(133kg)の力士は、後半戦になってくると息切れしてしまうケースが多いのですが、それも感じられなかった。

 私も何度か経験があるのですが、「横綱になってやる」「勝とう」という気持ちがいくらあっても、体の調子が悪ければ、白星に結びついていかないものです。その点、今回の日馬富士は、体調管理とコンディション作りを相当綿密に行なってきたのでしょう。私は10日目に平幕・栃煌山に敗れて1敗となってしまいましたが、依然として日馬富士は全勝をキープ。揺るぎない強さがありました。

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