宇野昌磨が語るプロセス重視の哲学「ラクに手に入れたものと苦労して手に入れたもの、同じ結果でも価値が違う」
宇野昌磨『Ice Brave』会見&インタビュー 後編(全3回)
宇野昌磨(27歳)は自身初プロデュースのアイスショー『Ice Brave(アイス・ブレイブ)』の記者会見後、代わる代わるインタビューを受けていた。
インタビューで新アイスショー『Ice Brave』や現役時代について語った宇野昌磨この記事に関連する写真を見る
彼がまとう空気は、現役時代と変わらず朗らかだった。だからこそ、ステファン・ランビエールのようなコーチとの劇的な出会いもあったはずだし、先輩後輩のスケーターと縁を結び、多くのファンにも愛されるのだろう。
「ステファン、頑張らせます!」
全体練習の参加時間が限られる恩師に対し、その物言いで許される性格というのか。それは彼自身が周りに対し、なんら邪気がないからだ。
周りと協調することで、宇野は最大限に力を発揮してきた。「スケートを生きる」という必死さがありながら、独善的にならない。ふわりとした空気をまとうことができるのは異能だ。
フィギュアスケーターとして生きてきた「物語」が、彼の今を形づくっている。
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著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。