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鍵山優真と佐藤駿が「同学年ライバル決戦」へ 全日本選手権初制覇は誰の手に? (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi

【佐藤駿、三浦佳生は300点台に肉薄】

 鍵山を追いかける立場になった佐藤は今季、これまで苦戦していたSPを克服。ロンバルディア杯とGPシリーズの中国杯は98点台と、100点台まであと一歩のところまで来ている。フリーは、2本目の4回転フリップでミスが続いていたが、それでも合計の自己最高得点は285.88点まで伸ばしている。

 GPファイナルでは、SPは最初の4回転ルッツで転倒し、86.28点で4位発進。フリーは4回転フリップを回転不足にとどめ、鍵山とマリニンに次ぐ184.54点を獲得。合計を270.82点にして3位と、目標にしていた表彰台獲得と納得する結果を出した。全日本でSP100点台を実現できれば、一気に合計300点へと近づきそうだ。

 ふたりを追いかけるのは、ジュニアの頃からふたりにライバル意識を燃やし合ってきた三浦佳生(オリエンタルバイオ/明治大学)だ。

 GPシリーズのスケートアメリカは、足の痛みがあるなかでも3位に入り3年連続GPファイナル進出の可能性を残したが、鍵山との対決になったNHK杯(6位)で崩れて進出を逃した。NHK杯は「トーループの練習を控えていて、やっと再開できたのは会場に入ってから」(三浦)という状況だった。

 SPの得点を見れば、スケートアメリカは99.54点、NHK杯では102.96点と自己ベストを連発し、安定してきている。フリーの自己ベストは、2023年の四大陸選手権優勝時の189.63点とポテンシャルは高い。

 今季のフリーは、しっとりした曲調の『シェルブールの雨傘』を選んでおり、しっかり滑りこなせるようになれば合計300点に肉薄し、ライバルのふたりに迫れる。NHK杯から全日本にかけての練習をどこまで活かせるか。

 世界選手権の代表争いを考えれば、審査基準のひとつであるシーズンベストスコアで鍵山と佐藤がマリニンに次ぐ2位と3位になっていて、一歩抜け出している状態。278.67点の三浦が5位で、日本選手の3番手につけている。

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