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羽生結弦「もっと強くなれると思う」単独ツアー『RE_PRAY』に込めた祈り「皆さん生きてください」 (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【ストーリーに込めた祈り】

 3公演を走りきったことで、自身の進化も感じた。

「トレーニングや練習方法みたいなものが、あらためて確立されてきたのかなという感じがしています。表現面では、もう滑り込みあるのみということと、あとは作曲者の思いであったり自分がストーリーに込めたい気持ち、演出や照明をつくってくださっている方々の見せたい思いや気持ちは何だろうとすごく考えながらやったし、回数を重ねるごとにいろいろ感じながら滑れたのが大きかったのかなと思います」

 日々が続いていくなかには、刺激的な日もあれば、何もないどんよりとした暗闇や曇りが続くような日がある。羽生は「そういうなかでも生きていこうと、皆さん生きてくださいという、そんなメッセージを僕は込めているつもりです。そのなかでも最終的に命っていうのは巡っていく。でも巡っていくけれど、たったひとつの今のこの人生をちゃんと生きてほしい。そんなに祈りを込めてこのストーリーをつくりました」と語る。

 そんな単独アイスショーを終え、「まだまだこれから構成を上げられると思いますし、もっと強くなれると思うのでもっと練習します、という感じです」と明るく宣言した。

著者プロフィール

  • 折山淑美

    折山淑美 (おりやま・としみ)

    スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。

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