伊藤みどりがフィギュアスケートの現状に「寂しく感じる」理由とは? 女子世界初のトリプルアクセルジャンパーが語るスケーター人生【2023年人気記事】
2023年の日本はWBC優勝に始まり、バスケのW杯では48年ぶりに自力での五輪出場権を獲得、ラグビーのW杯でも奮闘を見せた。様々な世界大会が行なわれ、スポーツ界は大いなる盛り上がりを見せた。そんななか、スポルティーバではどんな記事が多くの方に読まれたのか。昨年、反響の大きかった人気記事を再公開します(2023年4月11日配信)。
※記事内容は配信日当時のものになります。
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●フィギュアスケートの今と昔
日本フィギュアスケートの歴史に名を刻む伊藤みどりさんの目に、現在の競技の姿はどう映っているのだろうか。
「すごいなと思う反面、大変だなと思うこともあります。ルールも複雑化して、試合もたくさん。技術一つひとつに詳細な得点がつくようになったり、プログラムの密度も濃い。私は昔の時代でよかったなと思いますよ。
今の時代だったら出られない(笑)。私たちの時代は美しさやジャンプなど、何か武器があればそれを評価してもらえたのですが、今は全体的なアベレージが高くないとトップには行けませんから。
そう思うと、今はまずレベルをとるためにしなければいけないことが多すぎて、個性を出す部分が少ないことが寂しく感じたりもします。個性を活かしつつ、プログラムをつくるのはすごく難しいんだろうなと思いながら見ています」
伊藤みどりさん。53歳で今年5月の国際大会に出場する 現役時代、大きな期待を一身に背負っていた伊藤さんは2度の五輪に出場。
「メダルを獲りたいとか、どうしてもトリプルアクセルを跳びたいという欲が出てきた」という1992年アルベールビル五輪のフリーでは、冒頭のトリプルアクセルで転倒。しかし、後半にもう一度跳んで成功させるという伝説を残した。
トリプルアクセルを成功させ銀メダルを獲得した1992年アルベールビル五輪 photo by Kyodo News
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著者プロフィール
山本夢子 (やまもと・ゆめこ)
スポーツライター。青森県八戸市出身。5歳からフィギュアスケートを習い始め、高校卒業まで選手として各大会に参加。その後、渡米し大学を卒業、就職。帰国後は、コピーライターとして広告制作に携わる。2005年からフリーランス。現在はライターとしてフィギュアスケートの専門誌を中心に執筆中。