「りくりゅう」三浦璃来・木原龍一「ああ、戻ってきたんだな」 急仕上げの復帰戦で見えた世界選手権連覇への光明 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi

【ジャンプミスにレベルとりこぼしが課題】

「ああ、戻ってきたんだな」。スタートポジションに立った時にそう感じたと三浦が話すSP。3回転トーループで三浦のジャンプが2回転になってしまい、スロー3回転ルッツでも着氷を乱すミスは出たもののスピードのある滑りで、後半は試合に戻ってきた喜びに笑みもこぼれた。結果は、目標をクリアする65.61点の2位発進だった。

 2日後のフリーでもミスが出る演技になった。最初のトリプルツイストはSPより上げてレベル3にしたが、次の3回転トーループからの3連続ジャンプは、三浦の最初のジャンプが2回転になり、次のダブルアクセルもシングルになった。そのあとの3回転サルコウは木原が4分の1の回転不足で右手をつく着氷だった。

 SPでミスをしたスロー3回転ルッツはきれいに決めて流れに乗ったように見えたが、終盤のスロー3回転ループは転倒。だが演技自体は滑らかでスピード感があり、息も合った演技だった。それでも合計8.03点及ばず、オータムクラシックでも敗れたデュデク/デシャン組が優勝を決めた。

 演技後の会見で木原は「本当にフリーがきつかった。練習でもあまりにもきつかったので、コーチから冗談で『きつかったらペアスピンのところで休憩していいよ』と言われたりして。試合の途中で止まろうかと思いました」と話し、笑わせた。

 今回の試合は、ふたりにとって現状の自分たちの演技をジャッジがどう判断するかを確かめる意味もあった。だからこそ、合計200点に届かない2位の結果でも、穏やかな表情を保てていた。

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