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三浦璃来・木原龍一「りくりゅう」は「まだまだ世界王者だと思っていない」 年間グランドスラムもトップペア勢不在に挑戦者の意識 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

●まだまだ挑戦者

 だが最後に滑ったクニエリム/フレイジャー組も、3回転サルコウの転倒がありながらもさすがの滑りを見せた。

 昨年の世界選手権優勝時に出していた自己最高記録を3.66点更新する147.87点を出して三浦と木原を上回り、合計は世界歴代5位の230.12点。

 彼らも三浦と木原と同じように世界選手権後はスターズオンアイスに出演していたが、そのなかでの自己最高得点更新は、長い間競技を続けている彼らの経験値の高さを見せる結果であった。

 そんなライバルの存在をしっかり意識しているのか、木原は「自分たちはまだ世界チャンピオンだと思ってはいないんです」とも口にしていた。

「自分たちよりレベルが上のペアはいるので、まだ世界チャンピオンになれたという実感はないですね。今回もアメリカのペアがすごかったので、自分たちはまだまだだなという気持ちがすごく強くて。

『世界チャンピオンだから大丈夫だ』という自信はなかったけど、場数をこなしてきているので緊張感のコントロールの仕方はふたりともものすごく上手にできたかと思います」

 今シーズン、ロシア勢や中国のトップペアが参戦していなかったことも考えての発言だ。三浦と木原はシーズンオフに、昨季のケガで中断していた難度の高いリフトの習得を目指していく。

 三原は「やっぱり第3者から見るとスケーティングもあれっと思うくらいに合っていないところもあると思うので、そういうところも徹底的にやっていければと思います」と話す。

 木原が「今季はフリーで145点というのをひとつの目標にしてきたけど、今回は自己ベストを更新できたので、150点という新たな目標が現実的になってきました」と言う。

 グランプリシリーズ初戦から世界選手権まで5戦5勝と突っ走ってきたふたり。最後の大会でクニエリム/フレイジャーに強さを見せつけられたことで、来季はまた"挑戦者"の意識を持って臨む。

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著者プロフィール

  • 折山淑美

    折山淑美 (おりやま・としみ)

    スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。

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