三原舞依にとってスケートリンクは「笑顔を生んでくれる場所」。五輪代表逃すも拍手が鳴り止まなかった (2ページ目)
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12月22日、さいたま。全日本の前日練習、三原は最上段からリンクを見下ろしていた。「(ウォーミング)アップのひとつになれば」と階段をたくさん駆け上がった。一番高いところからでも自分の演技が伝わるか、それを想像した。
「少しでも大きく見えるように、元気いっぱいに滑りたいと思いました」
三原は小さく笑って言った。
「とくにスピンは他のエレメンツに比べてGOE(出来ばえ点)が低いので、もっと速く美しく、力強く回れるように。フライングシットのつま先をしっかり伸ばすとか、コンビネーションスピンでドーナッツから(足を)上にあげる美しさとか。動画を撮ってもらい、客観的にも見て、ショート・フリーでパワーのある演技を心掛けてきました」
そして12月23日、ショートプログラム(SP)は『レ・ミゼラブル』の登場人物ファンティーヌを憑依させたように滑りきった。運命に翻弄され、精神をむしばまれながらも、必死に愛に生きた女性をリンクに再現。三原の激情が観客に伝わり、観客の感情が堰(せき)を切ったように会場にあふれ、彼女自身もリンクで涙を流していた。息をのむ可憐さだった。
「最後はステップのところから、物語が頭にパッと浮かんで、映画を見た時を思い出し、涙が出てきました。ファンティーヌさんの悲しい雰囲気を出せるように、彼女になりきって滑ってきたので」
三原はそう説明している。
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