2020.12.02

本田真凜、悪戦苦闘の今季。元世界ジュニア王者は輝きを取り戻せるか

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 田口有史●撮影 photo by Taguchi Yukihito

NHK杯SP演技の本田真凜NHK杯SP演技の本田真凜 「今シーズンは不安の中で臨んでいますが、今日もそのひとつで。ただ(大会が)終わってみて、今できることは出せたのかなって思っています」 

 11月28日のNHK杯フリースケーティング後、リモート会見に現れた本田真凜は、複雑な心中を明かした。達観しているのか、戸惑っているのか、悔しさに身もだえしているのか。錯綜する感情を押し隠すようだった。

「私はシニアに上がって(から思うのは)、自分の気持ちが演技に出ちゃうタイプというか。不安な顔がそのまま出てしまう。だから、今日は6分間練習の時から、ずっと笑顔で、とだけ思っていました」

 本田は、持ち前のスケーティングの華やかさは見せている。まとった青いドレスは鮮やかで、胸元にはシルバーのストーンが散りばめられ、王女のような出で立ちが驚くほど似合っていた。長い手足を使ったステップやスピンは情感が漂い、美しい容姿を際立たせた。昨年から続けて使用する『ラ・ラ・ランド』の旋律に乗って、誰もが目を離せない愛らしさがあった。

 しかし、スコアはトータルで162.57点。12人中9位だった。不本意な成績を突き付けられていた。

 本人が一番、忸怩(じくじ)たる思いだろう。ジュニア時代は、燦然と世界女王に輝いた。平昌五輪を制覇したアリーナ・ザギトワと競い、この日、ダントツの優勝を果たした坂本花織を上回っていたのだ。

 NHK杯で見えた本田の現在地とはーー。