坂本花織、構成変更で高得点獲得。全日本での紀平梨花との好勝負に期待 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 田口有史●撮影 photo by Taguchi Yukihito

 非公認ながらも合計は229.51点。今回と同じ東和薬品ラクタブドームで全日本選手権を初制覇した時の228.01点を上回る得点だった。

「去年の悔しい思いを晴らそうと思って、練習がきつくても、試合で笑顔になるためにしっかりやろうと前に進んできたので、今回それができたのはうれしい限りです。外出自粛期間中には滑れなくても体づくりをきちんとできたので、今、大崩れしない要因になっています。(体力的に)きつい『マトリックス』でも、最後まで迫力のある演技ができているのかなと思います」

 今後、SPで取りこぼしたスピンやステップをしっかりレベル4にしていけば、合計230点台に乗せられる手ごたえも得た。

 昨シーズン、世界を席巻したロシア勢でさえもロステレコム杯でアリョーナ・コストルナヤがトリプルアクセルを封印し、アレクサンドラ・トゥルソワも4回転でミスを連発して力を出し切れなかった。ジャンプの難度が高くなればなるほど、演技が崩れる危険性が常にある。

 坂本は将来的にトリプルアクセルや4回転に挑戦する意向を示しているが、今季は自分のベースをしっかり上げるために取り組んでいる。それは、今後ジャンプの難度を上げた時に大きな武器にもなるはずだ。

 着実にレベルを高めている坂本が、全日本選手権で難度の高いジャンプに挑戦するとみられる紀平梨花とどう勝負するのか、いまから楽しみだ。

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