鍵山優真、衝撃のシニアデビュー。世界歴代5位はどれだけスゴいか (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 田口有史●写真 photo by Taguchi Yukihito

 国内大会と国際大会などの違いがあり、単純に比較することはできないが、合計得点の世界ランキングを見ると、1位が335.30点のネイサン・チェン(アメリカ)で、日本のエース・羽生結弦は322.59点の2位。平昌五輪銀メダルの宇野昌磨は289.12点の4位につけている。

 ちなみに羽生と宇野のシニアデビュー戦を振り返ってみると、羽生は2010年のNHK杯で合計207.72点の4位。宇野は2015年USインターナショナルクラシックで合計207.41点の5位だった。ただし、いずれの得点も当時のルールで算出されたもので、現行ルールと一概に比べることができないのは言うまでもない。

 世界ジュニア王者の実力をひっさげて挑んだ宇野は、GPシリーズ初参戦となったスケートアメリカでSP80.78点の4位から、フリーでは巻き返してトップの176.65点(当時の自己ベスト)をマークし、合計257.43点は2位。シニアGPデビュー戦でいきなり表彰台に上る快挙を見せ、衝撃のデビューを果たしている。

 羽生と宇野の背中を追いかけている鍵山は、昨季の全日本選手権では2人と同じ土俵で戦い、堂々3位となったことは記憶に新しい。成長著しい17歳のホープが今季どれだけの実力をつけて、演技に磨きを掛けてくるのか。

関東選手権ではショートプログラムでも98.46点と高得点を叩き出した関東選手権ではショートプログラムでも98.46点と高得点を叩き出した 関東選手権のフリーでは、サルコージャンプ2本を含む2種類の4回転を計3本成功させ、昨季まで苦手としていたトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を2本跳んだ。特筆すべきは、連続ジャンプとしては高難度の3回転ルッツ+3回転ループを構成に初めて組み込んで、見事に決めていたことだ。これからも4回転の種類を増やしたり、多彩な連続ジャンプを組み込んだりと、さらなる成長が期待できる。

 シニア初陣となった関東選手権を鍵山はこう振り返った。

「初戦にしては、まあまあ動けたほうなんじゃないかな。でも、もうちょっとやれたかなと思いました。ジャンプに関しては、最後のステップアウト以外は言うことはない。ですけど、体力を持たすためにちょっと演技や動きが小さくなってしまって、ジャンプだけに集中してしまったところがあったので、そこは偏ったかなと思います。

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