2019.12.01

羽生結弦がファイナルで勝つために最も重要と考えていることは何か

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

3年ぶりのグランプリファイナル制覇を目指す羽生結弦 NHK杯で優勝してグランプリ(GP)ファイナル進出を決めた羽生結弦。大会後には今シーズンのここまでをこう振り返っている。

「とにかく、ケガなく終えたことが一番の収穫かなと思います。ショートは納得できる形ではなかったけど、まずはまとめられた。フリーは、回転不足はあったとはいえ、ワンミスにとどめられたのはよかったんじゃないかと思います。ファイナルへ向けて、いい一歩になったと思います」

 スケートカナダのあと、「GPシリーズを乗り切って、ファイナルや全日本選手権でしっかり戦いたい」と話していた羽生。NHK杯では、昨季まで2年続けてファイナル出場を逃して、かなり気持ちの中に溜まっていたものがあったとも話していた。

「去年のケガは事故的なもので、避けようのなかったケガだと思っています。その前年のケガも、調子が良くない中で(4回転)ルッツをやってしまったという反省はもちろんあるんですけど、やっぱりジャンプのケガは僕らにとってはつきものなので、しょうがないという風に思っています。

 だからこそ、ファイナルは『行きたいのに行けない』という気持ちがすごくありました。それまで自分が4連覇していましたし、もっと連覇記録を伸ばしたいという気持ちも強かった。ずっとあそこに君臨していたいと思っていたので。出られなくなってからはネイサン(・チェン)選手が連覇をして、今年は3連覇を狙うまでになった。そういう状況の中で、タイトルを奪還したいという思いは強くあります」

 それは昨季の世界選手権が2位だったからこそ強くなったとも言う。

「あの時は、演技内容自体もショートは良くなかったけど、フリーはそこそこよかった。それでも勝てなかったですが、それは記憶には残っても記録には残らない。それでは意味がないと思うんです。しっかり記録に残ってこそナンボだと思うので、しっかり結果を残したい。そういう強い気持ちはあります」

 今、ファイナルで勝つために最も必要なものは何か?という問いに、羽生は「コンディションづくり」だと言い切る。GPシリーズ第3戦で進出を決めたチェンが中4週とスケジュールに余裕を持って調整できているのに対し、羽生はNHK杯から中1週でファイナルに臨まなければいけない。