山本草太と島田高志郎、GPシリーズの厳しさにぶち当たる (3ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 得点は75.98点と6位でSPを終えた島田は後悔を口にしたが、明るく楽観的だった。そしてフリーに向けてこう続けた。

NHK杯のショートプログラムで6位だった島田高志郎NHK杯のショートプログラムで6位だった島田高志郎「みなさんに楽しんでもらえるように。そのためには、まず自分自身が演技を楽しまないといけない。とくに直すところはなくて、集中を高めていきたいです」

 にこやかに笑う島田は、少しの邪気もなかった。頬は赤く染まっていた。

 ふたりは、次世代のフィギュア男子を引き継いでいかなければならない。羽生という星までは遠いはずだが、ふたりにはふたりの歩み方がある。人生が投影されるスケーティングは、必然的に彼ら自身のものになるはずだ。

 11月23日、真駒内アイスアリーナ。フリーで、彼らは火花を散らせる。山本は第1組の5番目、島田は第2組のトップとなる7番目に滑走となる。

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