2019.11.01

羽生結弦もトゥルソワのジャンプを分析。
点数はどこまで伸びる?

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 アレクサンドラ・トゥルソワ(ロシア)にとって、今季これまで出場したチャレンジャーシリーズのネペラメモリアルや、フリーのみで競われたジャパンオープンとは違い、本格的なシーズンインとなるグランプリ(GP)シリーズは、これまでとは違うプレッシャーがかかっても不思議でない。しかし彼女は、そうしたことを微塵も感じさせず、スケートカナダでその力が本物であることを見せつけた。

スケートカナダのフリーと合計で、世界最高得点を出したトゥルソワ そのすごさのひとつは、ここまで1試合ごとに進化する姿を見せていることだ。シニア初戦となったネペラメモリアルのフリーでは、冒頭から4回転ルッツ、4回転トーループ+3回転トーループ、4回転トーループと3本の4回転を並べ、それぞれGOE(出来ばえ点)加点をもらった。後半の3回転ルッツ+3回転ループは、3回転+2回転になるミスで減点されながらも、世界歴代最高の163.78点を獲得。合計でも世界最高の238.69点にしてきた。

 さらに2戦目のジャパンオープンでは、最初に4回転サルコウを入れてから、4回転ルッツ、4回転トーループ+3回転トーループと並べ、もう1本の4回転トーループは後半に持ってきて、1オイラー+3回転サルコウを付ける3連続ジャンプにした。最後のジャンプも3回転フリップから3回転ルッツに変えた。

 この時は、3連続ジャンプと3回転ルッツ+3回転ループのセカンドが回転不足を取られて減点され、前半の4回転の加点が低かったこともあって160.53点にとどまった。だが、技術基礎点は97.51点とあと少しで大台に乗るという得点となった。

 トゥルソワは、スケートカナダのフリーではジャパンオープンと同じ構成で挑んだ。最初の4回転サルコウは転倒したものの、ジャパンオープンでは減点された4回転トーループからの3連続ジャンプと、3回転ルッツ+3回転ループはともにミスなく跳んで1.76点と1.43点の加点を獲得。4回転トーループ+3回転トーループの加点も3.12点と大幅に伸ばし、技術点は100.20点に。さらに演技構成点も2点近く上昇したことで、転倒による減点1がありながらも、166.62点まで得点を伸ばしたのだ。