坂本花織はトリプルアクセルの
答えを探す。「理想は伊藤みどりさん」 (2ページ目)
新シーズンのフリーのプログラムに組み込んでいく予定かと尋ねると、少々歯切れが悪かった。
「それは(中野園子)先生と要相談で。国内の試合とかは(トリプルアクセルを)入れていけたらいいかなと思っていますけど、自分は入れたいと思っても、先生がこれは無理だなと判断したら止められると思うので、そのときの状況から判断すると思います」
坂本が目指すトリプルアクセルは、高さと幅のあるダイナミックなジャンプだという。
「理想は伊藤みどりさんと無良(崇人)くんです。高さがすごいです。スピードのある中で、しっかりと振り上げてあり得ない高さまで跳んでいるから、それができたらいいなと思っています。みどりさんからはまだ直接アドバイスをもらっていないですけど、みどりさんのトリプルアクセルをまとめた動画をリピートしながら見ているので、すぐにギガがなくなる(笑)」
今季の新プログラムは、ダイナミックなジャンプと力強いスケーティングを持つ坂本のよさを存分に発揮しているものになった。ショートプログラム(SP)はシェイ=リーン・ボーン氏振り付けの『No Roots』で、フリーが平昌五輪シーズンからタッグを組むブノワ・リショー氏が手がけた『マトリックス』だ。
SPはボーン氏得意のダンサブルな曲になっていて、坂本の新たな一面を引き出している。また、フリーは映画のワンシーンのような振り付けと、リショー氏の十八番である複雑なステップが見せ場になるはずだ。
15日には、報道陣に公開された強化合宿の氷上練習で、曲かけでフリーを滑ってみせた。テンポの速い曲に乗り、全身を使った大きな振り付けが特徴的で、この2シーズン、坂本―リショーコンビが魅せた独特の世界観を、新シーズンもしっかりと見せてくれそうだ。
「フリープログラムは難しいです。昨季も難しかったんですけど、今季のプログラムもだいぶ(激しく)動いているので。しかも、オフバランスが結構多く、本来ある軸から上半身をずらすとか、そういうのが昨季よりも多い。それに耐える腹筋とか背筋とかがすごくきつい。あとはとにかく腕がしんどい。めっちゃ動かすからかもしれないです」
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