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「次のロシア大会が楽しみ」。羽生結弦の表情は輝いている (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 前日のショートプログラム(SP)の前は緊張感も大きかったが、フリーの前には「ショートのアドバンテージがあるかなとも思い、気持ちとして少し楽にやれた」という11月4日のフリー。羽生は、最初の4回転ループは着氷を乱しながらもなんとか耐え、次の4回転サルコウはGOE(出来栄え点)加点3.74点をもらう出来にした。

 だがそこまでの滑りやその後のステップは、丁寧というよりも少し勢いが足りないような印象も受けた。さらに、後半に入ってからも4回転トーループの着氷を乱し、こだわっていた4回転トーループ+トリプルアクセルもアクセルの着氷が少しスリップする形になった。その後の3回転フリップ+3回転トーループとトリプルアクセル+1Eu+3回転サルコウはきれいに決め、最後のふたつのスピンは最高のレベル4。結果は、190.43点で、合計297.12点でトップに立った。

 その滑りを羽生はこう説明した。

「ここのリンクはエッジ系のジャンプがうまく入らなくて、苦戦していたんです。こっちへ来る前の練習では4回転ループもほとんど外さないで跳べていたので、このリンクに来てちょっとびっくりしたというところもあって、なかなか調整できなかった。でも最終的には、今朝の公式練習で『スピードを出さなければ跳べるな』ということを少し思って。だからエッジ系のジャンプとループは、とくにスピードを落として慎重にいきました」

 朝の公式練習でも4回転サルコウと4回転ループは入念にやっていた。また直前の6分間練習でも他のジャンプは余裕を持ってきれいに跳んでいたが、4回転ループは最初のジャンプは着氷が乱れ、次は軸が斜めになるなど乱れが見えていた。

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