絶対女王メドベデワに小さな「異変」。五輪について頑なに口を閉ざす (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 SP では心配された2回転アクセルをしっかりと成功させたが、本人は「自分に対してもう少し高く跳ぼうよと言っていました」と吐露。演技についても「それほど悪くはなく満足しているが、もっといい演技ができると思っています。ダブルアクセルは改善の余地があるかな」と、反省を口にした。

 盤石かと思われたフリーに臨んだ彼女の両足には、足首からふくらはぎにかけてテーピングが施されていた。ケガの予防か、何か痛みがあるのか、試合後にそのテーピングについて指摘されると、「なぜそんな質問をするの」と言わんばかりの口調で「私は問題とは思っていない。足のせいではないし、十分に体調は整っています」と、ジャンプの失敗には無関係だと強調した。

 平昌五輪の優勝候補としてシニア3年目を戦う今季のメドベデワの言動には、少々違和感を覚えることがある。トップをひた走る17歳が、どこかナーバスになっている印象があるのだ。女性特有の身体的変化が始まったのか、フィジカル的なケアがこれまで以上に必要になってきたのか、はたまた過度な期待への予防線なのか。

 繊細なコントロールが必要なジャンプは、わずかな体重増による身体的なバランス感覚や精神面の変化などで狂いが生じるエレメンツだけに、今季のGP2戦で見せたジャンプの失敗は、何らかの身体的変化が原因かもしれない。明らかにジャンプ軸がゆがんでいたことからの転倒だったので、微妙なズレが生じて、よりコントロールするのが難しくなっていたのではないだろうか。

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