GPロシア3位の樋口新葉は、ライバルと自身の立ち位置を知っている (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

「失敗なく終わったのがすごくうれしくてガッツポーズが出ました。得点は思ったより出なかったですが、スコア表を見たらわかりやすいミスだったので、明日のフリーでは直せると思います。(初戦の)ロンバルディアトロフィーのあとは、連続ジャンプの最初のジャンプは低く跳んで、着氷後に流れるようにして2本目を高く跳ぶことを意識して練習してきました。フリーも今日のような感覚で滑れたらと思います」

 そのフリーは、世界女王のメドベデワが最後のダブルアクセルで着氷後に転倒する珍しいミスを犯した。苦笑で演技を終えたが、それでも150.46点を獲得して合計231.21点。さらに、SP2位で最終滑走者のコストナーは、演技構成点で高得点を獲得して合計215.98点。それぞれSPの順位をキープして実力を示した。

 このふたりに次いで樋口は3位だったが、GPファイナル進出の可能性は残した。

「フリーでは、昨日のアテンション(ノット・クリアー・エッジ)や回転不足が気になっていたので、すごく緊張していて、演技中の記憶もリンクの白い表面しか残っていなくて......。お客さんの顔とか歓声はぜんぜん覚えていないですが、演技に力を入れるような滑りはできたかなと思います」

 こう語る樋口は、フリーではSPで犯したミスが出なかったことに加え、昨季苦しんでいた「パンクで1回転になってしまうジャンプが出なかったのがよかった」と言う。

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