浅田真央を見守ってきた佐藤信夫コーチが語る「スパイラルの魅力」 (5ページ目)

  • 辛仁夏●構成 text by Synn Yinha  岸本勉●写真 photo by Kishimoto Tsutomu

 ジャンプを跳べば8点だ10点だという点数がつくのに、スパイラルはジャンプのように数値化されず、5コンポーネンツの中で評価されることになったためです。ですから、そんなことをやっている場合じゃないでしょうということで、やらなくなってしまった。それでも、プログラム全体の総合的な評価を得るためには大切な要素だと思いますし、GOEのほうでその価値を判断するようになっています。

 それを踏まえてみても、ここ1~2シーズンを見ていると、スパイラルをもっと評価するべきじゃないかと考える方たちがずいぶん増えてきたように感じます。実際、スパイラルをプログラムに取り入れる選手が増えてきたことは、歓迎すべきことじゃないかとは思っています。

 以前のルールでは、スパイラル・シークエンスは必須要素で主要なエレメンツのひとつでしたが、現行ルールの中では、ノービスではまだ課題として必ず行わなければいけない要素ですが、シニアでは必須要素ではなくなりました。それまでスパイラルの名前がついていた要素が、2012~2013シーズンからは「コレオグラフィック・シークエンス」に変更され、さまざまな種類の動作から自由に選んで行なえばよくなり、必ずしもスパイラルをする必要はなくなったのです。

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