日本は追いつけるか。フィギュアの絶対女王メドベデワの強さを分析する (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 そんな向上心を持っているメドベデワは、男子選手の演技に目を向けている。

「世界には素晴らしい選手がたくさんいますけど、みんなそれぞれの特徴を持っているので、誰かひとりに憧れるということはないです。今、世界で最高の選手というとやっぱり羽生結弦選手だと思いますけど、ハビエル・フェルナンデス選手はスケーティングがすごいですし、彼の跳ぶループジャンプも好きです。それにジョニー・ウィアーさんの柔らかい滑りとスピンも好きですし、ジェイソン・ブラウン選手のスケーティングや踊りも好きです」

 そして、こうも言った。

「もちろん女性らしい、美しいエレガントな、成熟した大人の滑りもしたいですが、男子の方が女子よりも面白いというか、ジャンプでウルトラCといえるような難しい技がありますから。女子はそういうダイナミックさよりも、美しさの方に重きが置かれます。もちろん、私も男子のような、ああいう難しいジャンプを跳んでみたいとも思っています」

 メドベデワの強さの要因のひとつは、失敗を絶対に引きずらないメンタルの強さだろう。たとえば、今季のフランス杯のフリーではふたつ目のジャンプだった3回転ルッツで転倒しながらも、その後のスピンとステップは確実にレベル4を獲得し、後半のジャンプもすべてノーミス。また、グランプリファイナルでも最初の3回転フリップは着氷を乱して連続ジャンプにできなかったが、後半の3回転フリップに3回転トーループを付けて1.40点の加点をもらう出来でカバーするなど、すべての要素で加点をもらう演技をした。

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