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気持ちの高まる羽生結弦と宇野昌磨。
ヘルシンキから詳細をレポート (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 曲かけの順番になると、最初の4回転ループは少しだけ着氷を乱したが、続く4回転サルコウはきれいに決め、スピンからステップ、3回転フリップへとつないだ。

 後半の4回転サルコウが2回転になり、次の4回転トーループで手をついても流れを止めず、トリプルアクセルを跳んで2本目の4回転トーループに挑戦。それが2回転になった後で初めて少し間をとったが、すぐにコレオシークエンスを滑りだすと、3回転ルッツの代わりにトリプルアクセルからの3連続ジャンプを跳び、最後はコンビネーションスピンで締めた。

「最後の3連続ジャンプはリカバリーですね。本当は4回転トーループの後にやろうと思っていたけど、少しトリプルアクセルが乱れてできなかったので入れました。その意味でもいろいろ考えながらやりました」

 この練習で意識していたのはジャンプだといい、ステップやコレオシークエンスなどは動きを確認するだけのような軽い滑りでこなしていた。2月の四大陸選手権以降は曲を通す練習を多くやり、「試合へ向けての練習をすごく意識していた」と話すが、この日も自分でチェックが必要と感じたことに意識を集中していたのだろう。

 そこまで余裕を持てるのは、準備がしっかりできているという証(あかし)だ。羽生自身も、「コンディションはすごくよくて、感覚も非常にいいと思います。ひとつずつしっかり確認しながら、本番に向けて追い込みをしたり回復を優先させたりという、メリハリを持たせることを重点的にやっていきたいなと思います」と冷静に話す。

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