フィギュアスケート界の名伯楽が語る「初心者にまず教えること」 (5ページ目)

  • 辛仁夏●構成 text by Synn Yinha
  • 岸本勉●写真 photo by Kishimoto Tsutomu

 それができるようになったら、アウトエッジで滑ってインエッジに変える、インエッジで滑っていてアウトエッジに変えるという技術を教えます。これらにはすべてに傾斜が関わってきます。ブレードをどう傾ければどう滑るかという身のこなし方で、自然と技術が身につくようになります。

 そういった基本動作ができるようになれば、「ターン」を学びます。順回転の「スリーターン」や逆回転の「ブラケット」などです。自転車と同じく、右に曲がったり、左に曲がったり、止まったりという技術を順番通りに教えていくのです。

 このあたりで僕がさせたいのが、鬼ごっこです。遊び心旺盛な子どもは、どうやったら一番早く自分の思い通りに滑って逃げるかという身のこなしを自然に覚えるじゃないですか。教えられるのではなく、必要性に迫られて体で覚えるわけです。それが一番、理に適っていますから。

 ただ、最近はリンクを広く使える機会が少なく、なかなか鬼ごっこをやらせることができないのが残念です。
(つづく)


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