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【ボクシング】井上尚弥 vs.中谷潤人――在米記者4人が予想する試合展開と勝敗の行方、そして"その後"のシナリオとは (2ページ目)

  • 杉浦大介●取材・文 text by Daisuke Sugiura

3.試合後の展望(勝者・敗者それぞれの進路)

キム : もし井上が勝てば、フェザー級(126ポンド)に上げて、ラファエル・エスピノサ(メキシコ)、ブランドン・フィゲロア、ブルース・キャリントン(ともにアメリカ)といった選手との対戦を見てみたい。いずれも現王者であり、評価の高いファイターだ。フェザー級こそが"モンスター"にとって最後のフロンティアになると思う。

 一方の中谷については、勝敗にかかわらず、しばらくスーパーバンタム級(122ポンド)にとどまり、スーパーフライ級からバンタム級への昇級が決まった(2階級制覇王者の)ジェシー・"バム"・ロドリゲス(アメリカ)とのビッグマッチ実現に向けた流れを作ってほしい。

ゴンサレス : 試合結果が非常に議論を呼ぶものとなり、日本で大晦日に再戦が組まれる流れになるのではないか。もし再戦が実現しなければ、井上はフェザー級へ階級を上げるだろう。中谷はスーパーバンタム級にとどまり、2027年にジェシー・"バム"・ロドリゲスとの対戦の可能性が出てくる。

ヘルナンデス : 自分が井上なら、ジェシー・"バム"・ロドリゲスがスーパーバンタム級まで階級を上げてくるのを待つ。結局ボクシングはビジネスであり、その面で"バム"との試合が最も大きくなる。

 井上対中谷戦は両者にとってキャリアを決定づける一戦になるが、それだけ注目を集めているのは"マッチアップ"が特別だからだ。"バム"との試合はプロモーション的にも面白くなる。ロベルト・ガルシア・トレーナーとその陣営は発信力もあるし、盛り上がる。だから自分ならそのタイミングを待つべきだと考える。

キンバオ : 井上が勝って126ポンド(フェザー級)に上げると仮定すると、対戦相手の選択にはかなり慎重になる必要がある。もともとライトフライ級からスタートしているから、ここまで階級を上げるのは非常に難しい。上の階級では単純に相手がより強くなる。3戦前のラモン・カルデナス(アメリカ)戦でもそれは見えた。カルデナスはいい選手だけど、井上は苦戦してダウンも喫した。もし126ポンドでボクシングもできてパンチもある相手と戦えば、かなり厳しい戦いになる可能性がある。現時点でも勝てる王者や有力選手はいるとは思うから、とにかく相手選びが重要だ。

 それから"バム"との試合も面白い。軽量級を代表するふたりのトップファイター同士の対戦になるし、キャッチウェイトで実現する可能性もある。いずれにしても、"モンスター"にとってはこれからも非常に楽しみな道のりになると思う。

著者プロフィール

  • 杉浦大介

    杉浦大介 (すぎうら・だいすけ)

    すぎうら・だいすけ 東京都生まれ。高校球児からアマチュアボクサーを経て大学卒業と同時に渡米。ニューヨークでフリーライターになる。現在はNBA、MLB、NFL、ボクシングなどを中心に精力的に取材活動を行なう

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