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「永遠の3歳児」原宿ぽむが振り返る、コミカルなレスラーになった理由「正攻法では勝てない」 (2ページ目)

  • 尾崎ムギ子●取材・文 text by Ozaki Mugiko

【人と同じことはしたくない"逆張り"タイプ】

 ぽむは"原宿生まれ、原宿育ち"。年齢はデビューから6年が経っても、"3歳"のままだ。

 写真家の父に物心つく前からカメラを持たされ、おもちゃ代わりにして育った。3歳下の妹は、現在、新聞記者として活躍している。

 母は声優。その影響で、ぽむも小学生の時に歌の仕事をしていた。

「ママは本当にヘンな人! ぬいぐるみを使って話しかけてくるし、ママとパパもぬいぐるみで会話しています。あ、パパはふたりいて、今はふたり目のパパです」

 奇想天外な話に、思考が追いつかない......。両親は離婚し、ぽむは母に引き取られ、今の父と母はぬいぐるみで会話している、ということか。

「ぽむはヘンテコって言われるけど、うちでは一番マトモ。それがめっちゃコンプレックスです」

 幼い頃から、物作りが大好き。お人形よりもレゴブロックが好きだった。「女の子なんだから可愛いものが好きでしょ」と言われるのが嫌でたまらない。お姫様になんかなりたくない。将来は大工さんになって、家を作りたい。写真を撮りたい。人と同じことをするのが好きではなく、いわく、"逆張り"したいタイプだったという。

 根っからのエンタメ好きで、小学生の時はガンダム、中学ではK-POPにハマった。高校に上がるとコスプレを始め、自分で衣装を作ってコミケに出かけた。友だちと衣装を揃えて撮影する――いわゆる"あわせ"が好きだった。

 中学は吹奏楽部、高校は放送部。人前に出てしゃべるのは苦手で、編集や機材を扱う裏方に回った。勉強も得意だったが、途中で飽きてしまった。ハマるとものすごく頑張れるものの、飽きると途端にできなくなってしまう。どの時代にも共通するのは、「人と同じことはしたくない」「表舞台よりも裏側に惹かれる」性質だった。

 受験勉強は熱心に取り組み、大学は工学部機械工学科に進学。ガンダムに登場する宇宙空母「ホワイトベース」の点検や掃除がしたくて、ロボットや熱力学を学んだ、とのことだ。「"3歳児"なのに大学に行ってるんですね」と突っ込むと、ぽむは真顔で「飛び級なんです」と返してきた。

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