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「永遠の3歳児」原宿ぽむが振り返る、コミカルなレスラーになった理由「正攻法では勝てない」 (4ページ目)

  • 尾崎ムギ子●取材・文 text by Ozaki Mugiko

【弱くても勝つために。「不意をつこう」「チョケてみよう」】

 4月1日から東京女子の練習生となる。運動経験については「水泳を10年やっていました」と答えたが、父と一緒になんとなくプールに通っていただけ。授業でバレーボールをやった時、あまりにも下手で「ふざけている」と誤解され、親を呼び出されたほど。運動は筋金入りで苦手だという。

 見よう見まねでプロレス技を習得し、2018年11月24日、成増アクトホール大会にて、坂崎ユカ戦でデビュー。デビューする瞬間まで「絶対にデビューはムリだ」と思っていたため、デビューできただけですっかり舞い上がった。しかし坂崎を相手に何もできず、「弱すぎてクビになる......」と不安になった。

 最初は真剣に試合をして、勝ちたいと思っていた。しかし、力が強いわけでも、速く動けるわけでも、打たれ強いわけでもない。「正攻法では勝てない」と悟った時、「ならば不意をつこう」「ちょけてみよう」と思い至った。コミカルなスタイルの始まりである。

「例えば、荒井(優希)ちゃん(元SKE48)には、やっぱり歌ってほしいじゃないですか。ぽむは団扇を持って客席で"オタク"になりきって、その隙に丸め込む――みたいな作戦を考えるようになりました」

 こちらが「頭脳派ですね」と言うと、「ぽむ、賢い? 賢いかもしれない」とムフムフ笑う。

 試合の参考にしているのは、『スポンジ・ボブ』『フィニアスとファーブ』『おかしなガムボール』など、海外の子供向けアニメだという。

「『スポンジ・ボブ』にも敵が出てきますよね。直接闘うわけじゃないけど、盗まれた秘密のレシピを取り返すための行動とか、いちいちヘンテコで面白い。『これ、プロレスに応用できるかも』と思って、"予測不能さ"を参考にしています。予想できない動きこそ、不意打ちになると思って」

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