井岡一翔vsフランコ「因縁の再戦」を3人の米識者が予想。より優位に立つのは? (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Kyodo News

Q2.井岡が自身の持っていた世界タイトルを返上してまで、フランコとの再戦にこだわったことは驚いたか。

キム :とくに驚きはしなかった。第1戦は好試合でもあったから、即座のリマッチが組まれても問題ないと思う。

ジッテル : 指名挑戦者がスーパーフライ級で最も危険で、すでに階級最高の選手かもしれない中谷だったのであれば、タイトル返上は驚きではない。中谷は井岡を身長、若さで大きく上回っている。井岡にとっては危険かつ困難な対戦であり、実現していたら、私は中谷が断然優位と予想するだろう。

 フランコが相手なら、井岡の勝機は大きくなる。第1戦が好ファイトだったため、再戦を求める声も多い。だとすれば、ダイレクトリマッチに向かうという選択は賢明だった。井岡がフランコとの再戦に勝ち、その後に中谷戦を組めば、日本人同士の統一戦はより大きなファイトになる。

ゴンサレス : 指名戦をこなすのではなく、タイトルを返上してまでフランコとの再戦に向かったことに当初は驚かされた。ただ、(驚く前に)その指名挑戦者が誰であったかを考慮しなければならなかった。中谷は大変な強者だけに、井岡はより与し易いフランコ戦に向かったのだろう。

Q3.井岡が再戦を制するためにやるべきことは?

キム : 序盤はよりアグレッシブに戦い、フランコのテンポ、ペースに対抗すること。井岡のほうがよりシャープなパンチャーだが、また手数で負け、ポイントを失うリスクを犯すべきではない。

ジッテル : 第1戦での井岡はいくつかのラウンドではよく戦えたが、十分ではなかった。どんなに打ち込んでも効かせるパンチには至らず、相手の勢いを止められなかった。再戦ではより俊敏なフットワークとハンドスピードを生かし、アウトボクシングを試みるべきだ。

 日本の他の"戦士"たちと同様、井岡も打ち合いを好むが、今戦ではより賢明に戦い、戦術面で優位に立って、コンビネーションを繰り出す機会を伺うのがいいだろう。連打の合間に的確なカウンターを打ち込むのも重要だし、ジャブも忘れてはいけない。

 ディフェンス面でもよりスマートに、これまで以上に動くのもいい。年齢では7歳も上であることをアドバンテージにし、激しく打ち合うよりも、より聡明に戦えた時に井岡の勝利が見えてくる。

ゴンサレス : 激闘のダイレクトリマッチを井岡が制するには、まずはフランコのリズムを崩すことが重要になる。接戦に持ち込めば勝機が見えてくるだろう。

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