ぱんちゃん璃奈に大善戦した「台湾の妖精」ワン・チンロンは何者? 双子姉妹で格闘家、スーパーマンパンチ以外の技も「次の試合で披露します」

  • 善理俊哉●取材・文 text by Seri Shunya
  • photo by Seri Shunya

「ワンちゃん」と呼ばれ、日本でも人気急上昇中のワン・チンロン(台湾)「ワンちゃん」と呼ばれ、日本でも人気急上昇中のワン・チンロン(台湾)この記事に関連する写真を見る

●ぱんちゃん璃奈に大善戦、「台湾の妖精」と話題

 キックボクシング界屈指のアイドル性を誇るぱんちゃん璃奈の「逮捕後初の公式戦」が4月22日、後楽園ホール(東京・水道橋)で行なわれた。

 その相手は、ワン・チンロン(台湾)。こちらも高いタレント性を持つだけではなく、戦前の予想を超える大善戦を見せた。

 インターネット上では「台湾の妖精」と話題を集めたこの女子ファイターは、実は双子姉妹そろって格闘家でもあるなど、日本のファンにはまだまだ未知な存在だ。

 2022年12月、偽造のサイン入りグッズ販売の疑いで逮捕されたぱんちゃんにとって、今回のワン戦は1年以上ぶりの公式試合。ぱんちゃんの戦績が過去13戦全勝(2KO)であるのに対し、ワンは13勝(1KO)6敗と勝率に大きな差があり、台湾でもこの試合はワンが不利だという予想が多かった。

4月22日、後楽園ホールで行なわれたワン・チンロン(左)とぱんちゃん璃奈の一戦 photo by (C)Def Fellow4月22日、後楽園ホールで行なわれたワン・チンロン(左)とぱんちゃん璃奈の一戦 photo by (C)Def Fellowこの記事に関連する写真を見る しかし、ワンは「大学在学中に学んだ」というダンスを披露しながら敵地のリングに堂々と入場。中継のアクシデントで試合開始がやや遅れたことに動揺することなく、いざゴングが鳴ると、ぱんちゃんに空中から飛びかかるいわゆる「スーパーマンパンチ」を浴びせた。

 奇襲に成功したワンだが、ぱんちゃんも、いわば"禊(みそぎ)"を兼ねたこの一戦に意地を見せる。ワンの弱点を細い脚に見出してローキックで集中的に攻め、中盤以降の一方的な展開も予感させるようにワンをふらつかせた。

 だがワンは長身と「10年間のボクシング経験で培った」というストレート系パンチで応戦し、ぱんちゃんに鼻血のダメージを与える。

 一進一退のタフな打撃戦が続くなかで試合は終了。判定はジャッジ1者がドロー(引き分け)をつけたが、0-2でぱんちゃんの勝利となった。

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プロフィール

  • 善理俊哉

    善理俊哉 (せり・しゅんや)

    マルチメディア記者。埼玉県出身。中央大学理工学部在学中から『格闘技通信』、『ボクシングマガジン』といったベースボールマガジン社の格闘技専門誌を中心に試合レポートや連載を始める。過去の連載にはゴング格闘技での『村田諒太~黄金の問題児~』(2012年)などがあり、井上尚弥と父・真吾氏による自叙伝では編集を担当した。並行していたテレビ業界での活動経験を生かし、世界各地の映像素材による企画・提案も行なっている。一例として、フジテレビ戦後70周年特番でのインパール作戦のルート「白骨街道」潜入など。メインの取材は五輪ボクシング。

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