19歳の慶應ガールがレスリング五輪金メダリストを撃破。尾﨑野乃香は高らかに宣言「62キロ級は私の階級」
6月16日〜19日に東京・駒沢体育館で開催された明治杯・全日本選抜レスリング選手権大会では、東京オリンピックのメダリストたちが格の違いを見せつけた。
男子ではグレコローマンスタイル60キロ級の文田健一郎(ミキハウス/東京五輪・銀、以下同)、グレコローマンスタイル77キロ級の屋比久翔平(ALSOK/銅)、女子では50キロ級の須﨑優衣(キッツ/金)、55キロ級の志土地真優(旧姓・向田/ジェイテクト/53キロ級・金)が圧倒的な強さで優勝を飾った。
尾﨑野乃香は慶應大学1年生の19歳この記事に関連する写真を見る そして最終日の大トリは、62キロ級の川井友香子(サントリービバレッジソリューション/金)が登場。対するは、昨年度の明治杯、天皇杯・全日本選手権を制した19歳の尾﨑野乃香(慶應義塾大)だ。
決勝戦は序盤から両者がっちりと組み合い、ともに一歩も引かない展開。第1ピリオド、尾﨑がパッシブ(消極性)から得点を許すが、第2ピリオドに入ると川井もパッシブで失点して1−1となる。
そして膠着状態となった終盤、前に出たのは尾﨑だ。焦ることなく攻めの姿勢を貫き、川井がまたしてもパッシブから失点を喫す。
6分間で両者ともテクニカルポイント(技による得点)をあげることはできず、結果はパッシブのみの差となったが、尾﨑は東京オリンピック金メダリストを破る大金星。9月にセルビア・ベオグラードで行なわれる世界選手権代表の座を勝ち取った。
表彰式では涙を浮かべた尾﨑だが、その後の記者会見では落ち着いて試合を分析した。
「川井さんは強かった。圧はものすごかったけど、自分が勝つにはどうすればいいか、それだけを考えて戦いました。絶対に力負けしない。決して下がらない。最後は絶対に自分が勝つという強い気持ち。心の強さ、勝ちきるという思いは負けませんでした。
戦っている間、どちらにパッシブがくるかわかりませんでしたが、自分にきたらその後に課される30秒間のアクティビティタイムでは必ずタックルに入るつもりでした。タックルに入れずテクニカルポイントは奪えませんでしたが、勝ててホッとしています。ここまで頑張ってきて、本当によかった」
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