伝説のレスラー谷津嘉章が語る「最強の3人」ジャンボ鶴田の順位は? (4ページ目)

  • 井木 康文 ●取材・文 text by Iki Yasufumi
  • photo by DDTプロレスリング/アフロ

第1位:「プライド高き"キングコング"」ブルーザー・ブロディ!!

世界中のリングで暴れまわったブルーザー・ブロディ photo by 平工幸雄/アフロ世界中のリングで暴れまわったブルーザー・ブロディ photo by 平工幸雄/アフロこの記事に関連する写真を見る

「色々考えてみても、やはり彼がベスト1じゃないでしょうか......」と谷津が語ったのは、ご存知キングコングこと"ブルーザー・ブロディ"であった。

「彼もスタン・ハンセン同様に日本においては、日本のファンを意識して非常にガンガン来るタイプでした。さらにブロディは、技数があまり多くなかったスタン・ハンセンと比べて、多彩な技を持つ技師でもありました。ストロングスタイルからラフファイトまで熟知する器用な選手でした」

さらにブロディの"手強さ"は相手によって大きく変わっていたと語る。

「ブロディは、非常にプライドが高い選手です。自分が認めた選手の技は受けますが、そうではない選手の技はあまり受けすにガンガン攻め続けるというタイプでした。例えば、長州力選手の技はあまり受けてなかったと思います。一方で、同じアマレス出身でもマサ斎藤選手※の技はしっかりと受けていました。それはブロディの中で、日本だけでなくアメリカでも大成功をしていたマサ斎藤選手へのリスペクトがあったからではないかと思います」

 日本マット界のみならず世界のマット界で大暴れをしていたブロディ。"最強ベスト3"の定義を"手強いベスト3に言い換えた背景を考えるとブロディがベスト1であることはプロレスファンにとっても納得かもしれない。

※1964年、東京五輪にフリースタイル・ヘビー級で出場。1965年、日本プロレスに入門。日本だけでなくアメリカのNWA、AWA、WWFなど各団体で実績を残す。1999年2月に引退。2018年7月14日に永眠。

復帰ではなく再デビュー「谷津嘉章2号」。新たな名勝負へ

 ベスト3の選手すべてがレジェンド揃い。まさに谷津嘉章自身もレジェンドレスラーであることは間違いないのだが、6月6日の試合はレジェンドとしての復帰ではなく"再デビュー"と定義している。

「復帰ではなく"再デビュー"なんです。僕にとってもまったく新しい自分。体の1/8くらいがサイボーグになったとも言えるので、谷津嘉章2号として約40年ぶりにデビュー戦をやるような感覚です」

 そんな第二の青春が開幕しようとしている谷津は、復帰後のあっと驚くビッグプランについても激白した──。
(後編につづく)

谷津 嘉章(やつ よしあき)
1956年7月19日生まれ。群馬県明和町出身。日大時代からレスリングで名を上げ、76年モントリオール五輪に出場。80年モスクワ五輪では金メダル候補とされたが、日本が参加をボイコット。同年に新日本プロレスへ入団し、12月ニューヨークにてデビュー。新日本、全日本のメジャー団体からインディ団体まで幅広く参戦し活躍。総合格闘技のPRIDEにも参戦した。2010年11月に引退。2019年6月に糖尿病の合併症により右ヒザ下を切断した。

谷津嘉章の再デビュー戦も行われる『CyberFight Festival 2021』は、6月6日に埼玉・さいたまスーパーアリーナにて開催。
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