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柔道の男子重量級で金なし。
「勝ちに飢えた柔道」ができなかった (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Nishimura Naoki/AFLO SPORT

 だが、決勝はその疲れが影響したのか、スピードのあるルカシュ・クルパレク(チェコ)との対戦では、序盤は相手の奥襟を取って押し込むシーンが何度もあったが、なかなか決められない展開になった。そして、延長13秒には、相手の裏投げで頭から落ちてダメージを受け、最後は押し込まれて3つ目の指導を受けると反則負け。惜しい敗戦を喫した。

「準決勝を乗り越えて気持ちも上がったというところはありますが、その試合を意識し過ぎていたというところはあります。そこを超えたら何とかなるかなと思っていた自分の甘さが決勝では出てしまった。決勝も序盤は組手もよかったですが、そこから自分が何をしたいのか、どういう展開に持っていくのかというのが考えられなかったところがあったので、相手のペースになってスタミナを削られてしまった。相手の方が自分のスタミナを上回っていた」(原沢)

 その一方で、今大会収穫もあった。

「全体を通して自分的には動きはよくなかったんですが、その中でも我慢して粘って戦えたこと。ツシシビリ選手とも、ああいったもつれた場面で負けずに戦えたこと」

 そんな戦いを井上康生男子監督は「1回戦から強豪選手との戦いが連続しましたが、我慢して勝ち切ったうえで次につなげた。準決勝は絶対に引かずに競り合い、我慢比べにも絶対に引かないで投げにいくことと話したが、それをやり切れたことはよかった。

 決勝は惜しい試合で先に息が上がってしまいましたが、本当は逆の展開にしたかった。それまでのギリギリの戦いの影響はあったと思いますが、決勝でも技術面をもう少し工夫していけば、ああいう展開にはならなかったのではないかと思う」と話す。

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