2018.03.03

元いじめられっ子のボクシング
世界統一王者・田口良一とは何者なのか

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • 写真●山口裕朗 photo by Yamaguchi Hiroaki

——実績だけを比べたら、田口選手はその偉大な2人のチャンピオンを上回っているとも言えますが。 

「いやいや、そんなふうには……。畑山さんは大スターだったじゃないですか。防衛回数では自分のほうが多いですけど、畑山さんには圧倒的なカリスマ性がありました。新井田さんのスピードも凄くて、左フックを3連発、4連発で打ったり。格好よくて華がありましたよね。他のチャンピオンとも自分を比べたりはしないですし、実績で抜いたとかは思わないです」

——近年はアマエリートからプロ入りする選手が多い中で、アマでの実績がほとんどない、プロで叩き上げた世界王者としての誇りはありますか? 

「最近は、世界王者まで上り詰めるのはアマチュア上がりの選手がほとんど。その傾向はさらに強くなっていくでしょうね。でも、自分がプロで叩き上げて世界王者まで辿り着いたことで、アマスタートではない選手に勇気を与えられたと思います。アマチュアで経験がなくても世界王者になれることを示す存在であり続けたいという思いはあります」

——次戦は元王者のヘッキー・ブドラー(南アフリカ)が有力という報道も出ていましたが。 

「ブドラーになるというのはすでに伝えられている通りだと思います。あとは時期がどうなるか。4月、5月、6月のいずれかだと思いますが、4月はちょっと難しそうです。6月になってしまうと、年3戦が厳しくなってしまう。自分としては5月と9月、そして年末と試合をこなしていきたいので、5月かなという感じです」

——年内に3戦となると、自然と目標は10度の防衛になりますね。 

「10度の防衛はなかなか達成できないことですよね。日本人の王者でそこまでいけた選手は少ないので、達成すれば自分もさらに評価してもらえるんじゃないかと。昔は防衛回数を気にしていなくて、10回なんて想像もつかなかったんですが、7回まで積み上げられました。『ここまできたんだから』と、これからは回数も意識していきたいと思います」

(後編に続く)

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