「ノックアウト勝ち」を狙う
テクニックをK-1王者・武尊が明かす (2ページ目)
武尊選手がいう"キレるパンチ"とは、最初の状態では脱力し、当たる瞬間にだけ力を入れるというもの。そうすることでパンチのスピードが増し、頭も揺れやすいという。
「パンチを打つまでは脱力して、当たる瞬間に力をグッと入れます。当てるまではゴムのような感覚なのですが、当てる瞬間はハンマーのようにすごく硬くなるのです」
このように戦い方のポイントについて語った武尊選手だが、気持ちの重要性についてもこう話す。
「結局は『相手を倒してやる』という気持ちと、自信を持ってパンチを打つことが、相手を倒す最大の秘訣だと思います。絶対に相手を倒せると思ってリングに上がっていますし、(相手のパンチが当たる)危ない距離にいても、自分は倒れないと信じています」
■危険な距離にあえて入る戦い方
もうひとつ、武尊選手は自らの戦い方へのこだわりについても語った。それが「危険な距離に入る」という考え方だ。
「『あなたはどんなファイターですか?』と聞かれたとき、『クレイジーなファイターです』と答えています。相手のパンチがギリギリ当たらないのが安全な距離で、そこから一歩踏み込むのを危険な距離というのですが、僕は危険な距離で戦う時間が多いのが特徴のファイターです。わずかな差なのですが、その距離で戦うのが好きなんです。相手がパンチを打ってくるところにカウンターで打ち返すと、自分のパワーだけじゃなく相手のパワーも加わるので、単純に威力は倍になります」
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