解散から35年──。キミは「国際プロレス」を知っているか?

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

【プロローグ】アニマル浜口が語る「国際プロレスとはなんだ?」

 日本プロレス界の父――力道山に才能を見出されて当時最大の団体であった「日本プロレス」に入門、アマチュアレスリング出身プロレスラー第1号となった吉原功(よしはら・いさお)。大相撲出身者が大半を占めていた力道山門下生のなかで、華麗なレスリング技を駆使して日本ライトヘビー級チャンピオンとなった吉原は、引退後にフロント入りし、ビジネス面で手腕を発揮する。そして1966年10月、吉原は日本プロレスを退団すると、新団体「国際プロレス」を旗揚げした。

アニマル浜口のプロレス人生は国際プロレスから始まったアニマル浜口のプロレス人生は国際プロレスから始まった 力道山亡き後、日本のプロレス人気を二分していたのは、ジャイアント馬場の全日本プロレスと、アントニオ猪木の新日本プロレス。それらに対抗する「第3の勢力」となるべく、国際プロレスは設立された。

"怪力無双"の異名を取り、IWA世界ヘビー級王座を25回防衛したストロング小林。レスリング・グレコローマン最重量級代表として東京オリンピックに出場し、日本人で初めてIWA世界ヘビー級チャンピオンとなったサンダー杉山。ラグビー日本代表のロックとして活躍し、TBSの初回放送でルー・テーズのTWWA王座に挑戦したグレート草津。大相撲から転向した正統派ストロングファイター・ラッシャー木村......。彼ら"四天王"をはじめ、巧みな技と頭脳的戦略で名バイプレイヤーを演じたマイティ井上や寺西勇、ラグビー世界選抜の実績を引っ提げて鳴り物入りで入団した阿修羅・原など、個性豊かな選手たちが、昭和40年代から50年代にかけてコアなプロレスファンの人気を集めた。

1 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る