初の学生連覇へ!筑波大・竹ノ内佑也が全日本剣道選手権に挑む (2ページ目)

  • 柳田直子●文 text by Yanagida Naoko
  • 時事通信社●写真

 実力は学生という枠を大きく超えている。相手を攻め崩す攻撃力、ここだという場面で思い切って勝負に出る決断力、鋭い足さばきから生まれる打突力といった剣道に必要な力を備え、警察の強豪選手と対戦しても引けをとらない。

 竹ノ内を指導する香田郡秀・筑波大学剣道部部長(同大学教授・剣道教士八段)は、彼のずば抜けた素質について「勝つ選手は、見ている人に何かを持っていると予感させるものがあります。たとえば、相手の動きを冷静に読む目であったり、打つタイミングをとらえる力であったりするでしょう。竹ノ内君には、その何かが備わっているのではないかと思います」と語っている。

 また、彼の武器は他にもある。特に言われているのが「気持ちの強さ」だ。どんなに大きな大会であっても、たとえ相手が実績のある選手であっても、気持ちが浮つかない。いざ試合となれば戦うことに専念できる。竹ノ内自身、「いつでも強気で試合できることが自分の長所」と分析している。

 筑波大学の剣道部男子監督、鍋山隆弘・同大学准教授も「腹のすわり方というのは、鍛えようと思ってもそう簡単にできるものではありません。普段から剣道を見ていますが、相手の動きに対して過度の対応をしないですね。ですから心も浮きにくい」と太鼓判を押すほどだ。

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