2015.04.06

長いトンネルを抜けたベテランたち。柔道ニッポンへ復活の兆し

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 中村博之●写真 photo by Nakamura Hiroyuki

 昨年12月のグランドスラム東京(GS東京)では、新旧頂上決戦をともに新勢力が制した女子48kg以下級と、男子66kg以下級。8月の世界選手権日本代表最終選考会となった全日本体重別選手権(4月4日~5日)では、ともに実績優位のベテラン勢が意地を見せた。

攻めの姿勢を貫き、2年ぶりに全日本体重別選手権を制した浅見八瑠奈 2010年、11年と世界選手権を2回制覇した浅見八瑠奈(コマツ)と、昨年、世界選手権初制覇とGS東京では、浅見を下して優勝した近藤亜美(三井住友海上)の戦いに注目が集まった初日の女子48kg級。浅見は1回戦、格下の濱田早萌(龍谷大)を相手に苦戦を強いられた。開始1分01秒で小外刈りの有効を奪いながらも、攻めきれずそのポイントで優勢勝ちという結果になった。

 それに対して近藤は蓬田智佳(JR東日本)を相手に開始1分08秒、払腰で有効を取ると、その後も攻め続けて終了26秒前には小外刈りで1本を取って勝ち上がった。

 浅見も2回戦からは攻めの柔道を取り戻し、近藤との決勝に臨んだが、開始1分15秒に「消極的」と指導を受けて劣勢に回ってしまう。それでも、そこから気持ちを切り換えて攻めの姿勢を取り戻すと、有効にはならなかったが、2分38秒には小外刈りで近藤を倒し、さらにその19秒後には体落としで有効を奪って逆転。そのまま攻めきると2年ぶりの優勝を果たした。

「近藤さんが第一候補だから、私は勝たなければ代表には選ばれない。ここからの道は自分で切り拓くしかないと思っていた」