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【男子バレー】宮浦健人が実直に語る新天地での開幕「いいものを見せられるようになっていく」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

【「もう、信じているんで」】

 宮浦、水町という二枚看板の人気選手が活躍することで、会場のボルテージが自然と上がった。セットポイントでも、水町がレシーブし、宮浦がブロックを弾き飛ばす豪快なスパイクを叩き込んだ。

 2セット目も、宮浦は18-18から連続ブレイクに成功した。サーブで崩し、水町や山崎彰都がスパイクを決める。そして宮浦は再びエースを取って21-18とすると、咆哮を上げた。すぐに質朴な侍のような顔つきに戻るのだが、その弁(わきま)えた姿が彼らしい。一度は24-24と追いつかれたが、貯金の猶予が効いたのか、セット連取に成功した。

「強いサーブはひとつ自分の武器であるんですけど......このチームに入って、バリエーションを持ってサーブ練習をしているところです。緩急をつけてやっていけば、もっとサーブが武器になっていくと思います」

 そう振り返る宮浦は、30.4%と高いサーブ効果率を誇った。エースだけではない。ボールの回転や落とす場所を調整し、サンダーズの堅牢な守備を崩していた。

 もっとも、宮浦が新天地で輝くのはこれからだろう。

 今シーズン、宮浦はジェイテクトSTINGS愛知からウルフドッグスに移籍してきた。コンビネーションを合わせる時間も十分ではない。また、長丁場のSVリーグをチャンピオンシップ決勝まで戦ったあと、休む間もなくネーションズリーグをフルで戦い、さらにフィリピンでの世界バレーも出場。ほとんど休みもない状況で、この試合でアタック決定率は50%を叩き出したが、アタックラインの踏み越しのようなミスも目立っていた。

「今はこのチームで"よりスピーディな攻撃をやっていこう"とトライ段階なので、今後はシーズン序盤よりはいいものを見せられるようになっていくと思います。今はもったいないミスも出ますけど、出たものに対して改善していくというか......。一貫して継続してやっていきたいですね」

 宮浦は、実直に言う。オポジットとしてはセッターとの関係性も重要で、深津英臣とのコネクションをどこまで仕上げられるか。左利き同士のコンビの相性は、多くのボールゲームで良好だ。

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